jackassonとはなにか?

 jackassonは、アメリカのおバカ番組「ジャッカス」とハッカソンの融合を目指して始まった、 半年に1回ほど様々な背景を持つ参加者が集い、自分の偏愛や妄想を表現・制作し発表するイベントです。 社会的には批判されがちな偏愛や妄想も、ここでは自由に表現・制作できます。

 jackassonでは、無意味であることや役に立たないこと、自己破壊を追求します。 これは、本当に新しいもの、誰も見たことがない、触れたことがない、 想像できないものは、一見すると無意味に思えるようなもの中から生まれてくるからです。
 今日の私たちは空を飛ぶことで社会がどう変化したかを知っていますが、100年前の人々は空を飛ぶことの意味を知ることがありませんでした。 空を飛んだことのない人間にとって、ライト兄弟の挑戦は無意味で役に立たないと思われていたことでしょう。 当時あったのは、ウィルバー・ライトとオービル・ライトの「空を自由に飛びたいな」という強い欲望だけでした。
これはディープラーニングをはじめとする現在の革新的な技術が、ただなんとなく面白そうだからと研究された結果発明されたことと無縁ではありません。

また、ドラえもんがなぜあんなに多くの未来の道具を生み出すことができたのでしょうか。それは、これらの道具が決してのび太を成長させないからです。
のび太は問題の解決を図ろうと未来の道具を繰り返し使用しますが、そのためにダメ人間の状態を維持します。のび太が成長しない、完成しないからこそ、未来の道具は絶えず生み出されるのです。
その意味では、新しいアイデアは自己実現的な状態からではなく、自己破壊的な状態から生まれると言えます。

本当に革新的なものは、意味や効率とは無縁の状況で、自己破壊的な背景を持って現れるものなのです。

 反対に、意味がある、役に立つ、自己実現という視点だけで世界を見渡すと、多くのものが目に映る景色から排除されてしまいます。 もし私たちがこのような視点しか持てなければ、完璧とされる人々が役に立たない存在は生きる意味がないと見なし、 病人や老人、障害者を殺戮した20世紀の歴史を再び繰り返すことになるかもしれません。

 この無意味さを尊重する態度は、最適解を導き出すAIによって、 役に立たない無意味な存在へと人間が変わっていく21世紀においても希望的な態度であると言えます。

無意味であること、役に立たないことを追求することが、今最も必要です。それがjackassonを開催する理由です。